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Imuruta Speech Poem
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   あとがき

此処にこの萩の花 ひとつふたつと咲き出でる

胸に並んだふたつのベル 女の胸の奥には
深くて哀しい部屋がある 誰かが呼び鈴を鳴らす
たびに 出迎えに出ようとし でも足が無いので
かなわない 呼び鈴が鳴る 呼び鈴が 出て行き
たいが出られぬ身 待たすほどに 鈴響くほどに
留守居の背中を汗は流れ もう堪忍もう堪忍と
身をよじる 誰が呼び 誰が応える 鈴の音
​部屋いっぱいにこだまする音 ああ至福のとき

​                      imuruta

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