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​歌人・山川登美子

​後世は猶今生だにも願はざるわがふところにさくら来てちる

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​歌人・山川登美子
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山川登美子は、ともすれば与謝野晶子との對照に撥しながら、しかし猶登美子獨特の表現を持ち、ここに見たそれら精神の裸像は、晶子に一歩も二歩も抜きん出たものである。それは晶子の華美に對し一心不乱の至純の姿にも写る。それは今となれば、「わがふところにさくら来てちる」の如く、音もなく登美子の時代は過ぎてしまったけれど、顧みれば見るほどに愛おしさが募る。
登美子のすべての歌を読んでみて、年嵩ゆえに
至らぬ歌も数多くあれど、此処に読み下してみた
歌の何とどれも可憐で清々としたことだろう。むろん晶子はこの後鉄幹と添い遂げ畢竟華麗な歌の
数々を残してゆくのだが、これら青春期の歌群を挙げるならその詠み口と言い、抒情の清々しさと
言い登美子の方が進んでいたのは間違いない。
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