top of page
​恋のフーガ ・ 橘 月心
キャプチャ-2000-5.PNG
   あとがき
人は誰もその身体のまわりに固有の磁場を持っている
その時ぼくらはまだ高校二年で偶々同じクラスになった
べつだん何ごともなく二学期が過ぎようとしたころ
少なくともぼくの磁場がいきなり警音を発し始めた
その冬休みの頃 ぼくは初めてきみに手紙を書いた
たった一行 ぼくはきみが好きだとだけ書いて出した
クラスでは目立たぬ二人ではあったがまだ男女交際の
もの珍しい時代のことで 皆の噂にはなっただろう
その後のことはここに逐一記した通りの展開ではあった
さらば青春 されど永遠に若さを失くすことのない日々

​             橘 月心

​© 2022 恋のフーガ created by imuruta with Wix.com 

bottom of page