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​天球

散歩の途中にと行って

今日はめずらしく象が尋ねてくれて

ポケットの中にはむかごの実が入っている

ぼくたちは西洋の熱い茶を立て

炒りたてのその実をつまみ

それから 詩のはなしをした

象は もう一つのポケットから

碧い球を取り出して指のあいだに挟むと

それを二つに そして三つに変えて見せた

よく見ると 一つめは碧い地球だった

二つめは見たこともない碧い本だった

そして三つめは慈愛にみちた天球だった

                imuruta

ぼくの名前は不思議人<imuruta>ある日のこと道端で一頭の象と知り合いになりました。象はいつも陰になり日向になり、このあともぼくといっしょにどこまでも旅をつづけてくれるでしょう。ところでここに始まる不思議な世界は ぼくをどこに連れてゆくのでしょうか。これはとりあえず、ぼくの出発点 第一詩集です。

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