Home・詩集
歩行のリズム 目次
01 歩行
02 象
03 花の名
04 散歩
05 芝生
06 夕立
07 星空
08 夏
09 砂浜
10 採光塔
11 糸車
12 シャボン玉
13 天球
14 羊
15 新天地
16 綾取り
17 先生
18 サラバンド
19 マリオネット
20 夢
More
散歩の途中にと行って
今日はめずらしく象が尋ねてくれて
ポケットの中にはむかごの実が入っている
ぼくたちは西洋の熱い茶を立て
炒りたてのその実をつまみ
それから 詩のはなしをした
象は もう一つのポケットから
碧い球を取り出して指のあいだに挟むと
それを二つに そして三つに変えて見せた
よく見ると 一つめは碧い地球だった
二つめは見たこともない碧い本だった
そして三つめは慈愛にみちた天球だった
imuruta