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​夕立

それは 夕立が見せてくれた

ちいさい夢だったかも知れない

振り返るときみが小走りに駈けてきて

ぼくが思わず抱きとめた

夕闇がふたりを遠巻きにして

息を凝らして抱かれている

ときに 伸び上がるようにして

胸の動悸を抑えきれないでいる

耳と耳をかさね合わせ

ちいさい肩を慄わせながら

スカートの下に 腰がある

そのひととき  日暮れてからの夕立が

呼吸のようにひとしきり

ぼくの腕に降り込めている

 

                imuruta

ぼくの名前は不思議人<imuruta>ある日のこと道端で一頭の象と知り合いになりました。象はいつも陰になり日向になり、このあともぼくといっしょにどこまでも旅をつづけてくれるでしょう。ところでここに始まる不思議な世界は ぼくをどこに連れてゆくのでしょうか。これはとりあえず、ぼくの出発点 第一詩集です。

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