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​芝生

その風の吹く あたたかく晴れた今日

ひかりに濡れた芝生に寝ころんで

わたしの髪は ちいさい渦を巻いている

誰かと尋ねる声も聞こえない

頬にあたるみどりの棘でさえ いまは

やわらかく身を折り曲げて眠っている

日差しはのんびりと風とたわむれ

繰り返し くりかえし思い出のページを捲る

わたしの頬のほてりが だれか

知らない人に出会ったような羞恥をそこに浮かべていたら

それは 夢でも見ていたのだろうか

記憶のなかの同じ春の日

風に髪をゆだねながら

わたしから過ぎていった人の ほほえみの

               imuruta

ぼくの名前は不思議人<imuruta>ある日のこと道端で一頭の象と知り合いになりました。象はいつも陰になり日向になり、このあともぼくといっしょにどこまでも旅をつづけてくれるでしょう。ところでここに始まる不思議な世界は ぼくをどこに連れてゆくのでしょうか。これはとりあえず、ぼくの出発点 第一詩集です。

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