その風の吹く あたたかく晴れた今日
ひかりに濡れた芝生に寝ころんで
わたしの髪は ちいさい渦を巻いている
誰かと尋ねる声も聞こえない
頬にあたるみどりの棘でさえ いまは
やわらかく身を折り曲げて眠っている
日差しはのんびりと風とたわむれ
繰り返し くりかえし思い出のページを捲る
わたしの頬のほてりが だれか
知らない人に出会ったような羞恥をそこに浮かべていたら
それは 夢でも見ていたのだろうか
記憶のなかの同じ春の日
風に髪をゆだねながら
わたしから過ぎていった人の ほほえみの
imuruta