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夏
きょうは夢で見たような
海辺に降りてゆく道を きみが
少年と肩をならべて歩いてゆく
太陽と暦のことについて話しているのか
きみを見上げながら
眩しそうにしている少年の
日焼けした肌が感じられる
月の満ち欠けのことを話しているのか それとも
日の照り 砂の焼けて足うら熱く
背景にそびえる杉の巨樹も
いっしゅん 揺らいだように見えた
それは巨樹のみた 短い夢だったかもしれない
少年を抱きながら 島は
日暮れまで海にかこまれている
imuruta
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