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星空
だれが この星空に線を引いたのか
今夜も天頂には白鳥座がかかり
空に十字を切っている
てのひらを開いて見上げてみれば
ほら くすり指のあたりから
ぼんやりと銀河も流れ出してくる
星空とてのひらと そして肺に満ちてくる冷気
高原の夜空はどこまでも澄んで
指をつたってこぼれ落ちる水は
背すじをくだって やがて腰を包む
おお「星空のちから」とそう呟くとき
満面みどりの夜空から
惜しげもなく星くずを散らしながら
きみが静かに舞い降りてくる
imuruta
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