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​綾取り

みるみる水に模様が浮かび

三角波 ななめ波 はしご波とその姿を変える

でも水は まったく透明なので 

思わずのぞき込むと 白地に緋の映える金魚がみえる

頭頂がぶくぶくして 背びれのないのは

これはらんちゅうの一種なのか

ずんぐりした容姿で 泳ぎはぎこちないが

腰を振りつつ前進する様子は いとも愛らしい

これが白勝更紗 その後ろが赤勝 前が一文字

でも どれもこれも言葉の綾さ

そう言うと器用に編み目を組み替える

次はきみの番だよと 象がいうので

金魚たちをおどろかせないように

小窓を大窓に口紅を猩々に ふたりあや

           imuruta

ぼくの名前は不思議人<imuruta>ある日のこと道端で一頭の象と知り合いになりました。象はいつも陰になり日向になり、このあともぼくといっしょにどこまでも旅をつづけてくれるでしょう。ところでここに始まる不思議な世界は ぼくをどこに連れてゆくのでしょうか。これはとりあえず、ぼくの出発点 第一詩集です。

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