竜は小石にけつまずくと

思わずかっとなり　空を見上げた

まだ　竜が空を飛べるようになる

もっと前のお伽話の世界だ

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竜は　ある使命を受けて

黄金の毛皮を着た羊を探していた

手掛かりに持たされたのは

水晶球に封じ込まれた天球図と八分儀

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それは本来なら　五書の巻頭に置かれるべき

もの語りを捜す任務だったが

でも　羊はどこを探しても見付けられず

とうとう　地図にもない高原にさ迷い出てしまった

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空は　いよいよ蒼く

山は　ますますけわしくそびえ

昼間でもありありと星の姿が読めたが

羊の足取りは　杳として読めなかった

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　　　　　　　　　　　　　　　imuruta

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