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​夢

両手をポケットにつっこんだまま

あつい胸で詰め寄ってくる

左右から 入れ替わり立ち替わり

いかつい肩でせまってくる

ななめ上を見上げながら 

背中でぐいぐい押してくる

だけど 体勢が入れ替わるたび

青銅色の鎖かたびらが当たって痛い

 

寒い朝の おしくらまんじゅう

吐く息が白い 口もとから鋭利な歯がのぞく

ラッパ状の耳からも 湯気が湧き上がる

けれど まっ正面からこの顔で

ひたいを押しつけてこられたとき

思わず その青い虹彩の奥にひきこまれそうになった

                   imuruta

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