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​採光塔

我さきにともんどりうって捻じ曲がり

採光塔からなだれこむ 光の微粒子

それは 藁のゆかで眠るきみの

そこここで小さい渦を巻き 次々と音もなく消える

月桂樹の葉をくわえ 嬉々として飛び回る蜂鳥の羽音は

きみの耳孔にうずまき押し入り

そこに数々のにぎやかな反響を呼び起こす

血管のなかで ほてり 騒ぎ 沸きあがる血

やがて 窓という窓をあけて歓喜は降りそそぎ

官能のときは毛髪とほぐれ

銀の帯をほどけば きみのほそい腰が藁のうえに現れる

おお薔薇の香り きみの体内をしずかに巡り

水晶のごとき光 きみのわき腹を洗えば

すみれ色の水のなかで しばし永遠を愉しむ

                          imuruta

ぼくの名前は不思議人<imuruta>ある日のこと道端で一頭の象と知り合いになりました。象はいつも陰になり日向になり、このあともぼくといっしょにどこまでも旅をつづけてくれるでしょう。ところでここに始まる不思議な世界は ぼくをどこに連れてゆくのでしょうか。これはとりあえず、ぼくの出発点 第一詩集です。

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