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採光塔
我さきにともんどりうって捻じ曲がり
採光塔からなだれこむ 光の微粒子
それは 藁のゆかで眠るきみの
そこここで小さい渦を巻き 次々と音もなく消える
月桂樹の葉をくわえ 嬉々として飛び回る蜂鳥の羽音は
きみの耳孔にうずまき押し入り
そこに数々のにぎやかな反響を呼び起こす
血管のなかで ほてり 騒ぎ 沸きあがる血
やがて 窓という窓をあけて歓喜は降りそそぎ
官能のときは毛髪とほぐれ
銀の帯をほどけば きみのほそい腰が藁のうえに現れる
おお薔薇の香り きみの体内をしずかに巡り
水晶のごとき光 きみのわき腹を洗えば
すみれ色の水のなかで しばし永遠を愉しむ
imuruta
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