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​象

ほこりっぽい道を 象と歩く

象がぐいぐいと肩を押し付けて来るので

てのひらで鼻を叩いてやる

ひたいの汗は藁でごしごし拭いてやる

小石なんかどしどし踏み潰して

ほそい目で笑いかける

ひろい耳パタパタさせて

ときどき 遠い森を見たりする

ふたりして坂を駆け下りながら

両肘をうしろに持ち上げた勢いで

すこし浮かび上がってしまう

だけど 象は飛びたくない

字だって上手になんか書きたくない

象の足にみとれながら ふたりで黙って歩いて行く

                     imuruta

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