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寒い夜は ふたり向かい合って秘密の編み物

きみの自慢はアランハニカムで ぼくは天竺編みで

きみ もう前みごろの出来上がるころだろうか

ぼくは 袖のゴム編みがもう終わるよ

年代物のストーヴの上でシュンシュンお湯が言い出すと

小さいあくびをしながら きみがお茶を入れてくれる

少し休憩だ ぼくは古い世界地図を拡げて

まるっきり ふたりになれる世界を探す

これを着ると誰でも羊になれるのだが

うつむいて もうずいぶん編んできたので

ふたりとも 頭の角が自然と内向きにカールしている

こころの貧しい人たちを すべて羊に変える計画も

ようやく終わりが見えて来たようだから

これが編み終わったら 念願の旅に出よう

                imuruta

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