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ようこそここへ ようこそこの瞬間へ

ようこそここへ ようこそ この詩へ

しっ 静かに

  いま花がこぼれ出す いま花が

  いま心がこぼれ出す いま心が

しっ 静かに

  いま約束が時とひらく

  いまあかしが花とひらく

ようこそここへ ようこそこの瞬間へ

ようこそここへ ようこそこの刹那へ

しっ しずかに

  いま初めて 愛がこぼれ出す

しっ しずかに

  いま初めて 心があふれ出す

深く ふかく息を吐いて

  あどけなく あどけなくみつめあい

それから どちらからともなく近づくと

  ぼくら初めて はだかの唇を求めあう

どんなに待った この時を

  どんなに待ちわびた このいまを

しっ しずかに 夢にまかせようよ

しっ しずかに 愛にゆだねようよ

いずれ詩は どこにも逃げ場のない鏡

​あられもないぼくらを探しだす絵

きみはここに帰って来るまで いったいどれほど待った

ぼくはこの時をみつけるまで ぜんたい何年待った

もうどこにも行かない この鏡の中にいる

もうどこにも行かせない この詩の外へは

                    imuruta

​ファースト・キス

ぼくの名は 不思議人 < imuruta > ここに紹介しているのは、ぼくの 第3詩集にあたるものです。 つぎに紹介するはずの第4詩集<月下の道>とペアを組んで、ひとつの夢の世界を構成しています。集中、ぼくのお気に入りは<ユン>です。彼女はぼくの夢の中を文字通り難なくすり抜けて、おそらく次の<月下の道>にも登場してくれることでしょう。

© 2016   produced by imuruta with WIX.com

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