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樹木の道

それはジュラ紀の頃

ソテツ イチョウ イチイと歩みはじめる樹木の道

裸子 被子 胞子 植物の謎

やがて ブナ ミズナラ ハルニレとその枝を伸ばし

シラカバ ダケカンバの尾根へと続く

光をいっしんに受けて狐柳も化粧柳へと進化する

山鳴り ハコヤナギが黄葉する頃は

樹々の もっとも美しい季節

ああ いつまでもみとれていたい山桃の実のあか

シラカバ スダシイ イタヤカエデ

トチノキ ハリギリ ヤマザクラ

そのどれもが成長すれば樹高二十メートルは優に超えるが

樹よ樹よ どの一本とて同じものはないその威容

樹々の中には泥の樹 旅人の樹などという木まであって

この散策は 少年のような探究心は止まらない

いつかスズカケの道を君と歩くとき

耳もとで そっと教えてあげよう

恋人の木もあると

                  imuruta

ぼくの名は 不思議人 < imuruta > ここに紹介しているのは、ぼくの 第3詩集にあたるものです。 つぎに紹介するはずの第4詩集<月下の道>とペアを組んで、ひとつの夢の世界を構成しています。集中、ぼくのお気に入りは<ユン>です。彼女はぼくの夢の中を文字通り難なくすり抜けて、おそらく次の<月下の道>にも登場してくれることでしょう。

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