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​モーニングシャワー

未明にひとり頭を垂れ

隅々にまでシャボンを塗り

手を合わせて 滝に打たるる人を真似れば

水は髪を伝い落ちると

いっしんに下腹の茂みに下ってゆく

ざざんがざざんが ざんざんざん

ぜうぜうぜうぜう ぜうすかな

ざらざりざるざれ ざろろろろ

ざんざんざん じゃぶじゃぶじゃ

山茶花に雨 否定の雨

未明にひとり頭を垂れ

目をかたく閉じ 手を合わせ

ごうごうと流れ落ちる滝下に立てば

水はたちまち頭蓋を割り

胸壁のなかを狂ったように走り落ちてゆく

あらわばあらわば 無欲を洗わば

ざざんがざざんが 残夢の祈り

ざらざりざるざれ 無事を祝うて

ついにいたらん 無詩の境地に

山茶花に雨 無上の雨

            imuruta

ぼくの名は 不思議人 < imuruta > ここに紹介しているのは、ぼくの 第3詩集にあたるものです。 つぎに紹介するはずの第4詩集<月下の道>とペアを組んで、ひとつの夢の世界を構成しています。集中、ぼくのお気に入りは<ユン>です。彼女はぼくの夢の中を文字通り難なくすり抜けて、おそらく次の<月下の道>にも登場してくれることでしょう。

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