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樹形の透明

雪に似て 夢にも結晶があるなら

きっと 樹形の透明を模している

ケヤキ モミ メタセコイア

その立ち姿うるわしく 陽に透けて白く燃える

クスノキ ムクノキ モミジバスズカケ

ハンノキ クロマツ ヒマラヤスギ

木に似て 人にもそれぞれたたずまいがあるなら

君はさて どの木の透明を模している

夢に似て 心にも結晶があるなら

それはあるとき どんな求形を

それはあるとき どんな付与の形をとる

それにしても手は 掌は何故かみんな樹形を模している

木よ 木固有の音楽よ

木よ 木に凝縮された時間よ

ああ 風に揺れつづけるこの不動の形象は

いったい 誰の夢の晶形か

               imuruta

ぼくの名は 不思議人 < imuruta > ここに紹介しているのは、ぼくの 第3詩集にあたるものです。 つぎに紹介するはずの第4詩集<月下の道>とペアを組んで、ひとつの夢の世界を構成しています。集中、ぼくのお気に入りは<ユン>です。彼女はぼくの夢の中を文字通り難なくすり抜けて、おそらく次の<月下の道>にも登場してくれることでしょう。

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