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スバル

スバル シエナ ユングフラウ

冬の夜は 冷えれば冷えるほどにスバルは冴え

星座はめぐり どこからかアリアも聴こえてくる

シュッは来ませり シュッは来ませり

シエナ シエナ 彼の地で流されし血は

ジングル ジングル 人の救済のため

鐘を敲き 雪を撒いて ほめ歌をうたおう

ユングフラウの頂には すぐそばまで星が来ている

君は菫のチュチュで ぼくはピッコロを吹く少年で

迷わないように 枝々に鈴を吊るし

ハンカチに星を包んでは 行く先へゆくさきへとその包みを投げる

ああ音楽とともに ぼくら何処までも昇ってゆこう

君の膝小僧さむかないか ぼくの指かじかんで

暖めあおうか あたためようか

でも ふたりとも頬はマネの絵のようにあかい

冬の夜 スバルはますます冴え シュッは来ませりシュッは来ませり

                         imuruta

ぼくの名は 不思議人 < imuruta > ここに紹介しているのは、ぼくの 第3詩集にあたるものです。 つぎに紹介するはずの第4詩集<月下の道>とペアを組んで、ひとつの夢の世界を構成しています。集中、ぼくのお気に入りは<ユン>です。彼女はぼくの夢の中を文字通り難なくすり抜けて、おそらく次の<月下の道>にも登場してくれることでしょう。

© 2016   produced by imuruta with WIX.com

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