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素足

私は ここにいます

私は もうどこへも行きません

私は じっとここで立っています

ここにしか私の居場所はないのですから

あなたの夢の中にしか

あなたは自由に出入り出来るのですから

詩の外へも この夢の中へも

あなたは気ままに出入りすればいい

私は ここにいます

私に 他にどこにゆくところがあるでしょう

私はここに ここにずっといます

ここにしか愛する人はなく

もうあなたしか 思う人はないのですから

ただどうか 開かなくなった手を責めないで欲しいのです

あなたの目が つねに私を追っているのは分かるし

あなたには いつでも素足を見せてあげたいが

それもここではままならないので

せめてもの罪ほろぼしに

こうして かかとでもお見せするほかないのです

ああ それでも私は怖いのです

あなたの言葉が あなたの眼差しが

ここにこうして立っていても

あなたが見ているときだけ じつは私はここにいて

あなたが目をそらしたとき

私は もうどこにも居ないのではないかと

                imuruta

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