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新しい愛

草の包みを開けてごらん 花の包みを

君の包みを開けてごらん 女の包みを

草だって命でできている 花だって

君だって体でできている 女だって

もし君が そこに無垢という名の傷を隠していたら

それは初々しくふるえる純真な予感

だれもがうぶ声をあげたばかりの愛を記憶しているし

ここでいま 新しい声をあげたいと思っている

花の包みを開けてごらん 女の包みを

心の包みを開けてごらん 恋の包みを

君の包みをあけて はだかの心を見つけること

いずれそこからしか 時は流れない

たとえ草が 命にからむ蔓でしかなくとも

たとえ君が 予感にとまどう髪でしかなくとも

ぼくは歌ってゆくだろう 女の包みの中は花

花の包みの中は傷 傷の包みの中は予感と

                 imuruta

ぼくの名は 不思議人 < imuruta > ここに紹介しているのは、ぼくの 第3詩集にあたるものです。 つぎに紹介するはずの第4詩集<月下の道>とペアを組んで、ひとつの夢の世界を構成しています。集中、ぼくのお気に入りは<ユン>です。彼女はぼくの夢の中を文字通り難なくすり抜けて、おそらく次の<月下の道>にも登場してくれることでしょう。

© 2016   produced by imuruta with WIX.com

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