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数え歌
ミヤマクロユリ ミヤマオダマキ ミヤマタニワタシ
ミヤマシャジン ミヤマウツボグサ ミヤマタムラソウ
山草の接頭には何故か 深山の付くものが多いが
今頃はまだ栗の毬なども風に揺れ
熟れるまでのひととき 枝先で小首を傾げている
ミヤマキスミレ ミヤマナルコユリ ミヤマネコノメソウ
ミヤマキンポウゲ ミヤマホタルカズラ ミヤマアケボノソウ
そう ぼくら 何も約束のない休校日には
まだあぶなっかしい鎌と あけびで編んだ篭を持って
知らずしらずどちらからともなく美山ふかく誘われたものだ
ミヤマリンドウ ミヤマレンゲ ミヤマナデシコ
花が毬なら 君はどんな数え歌うたいながら
山里の小学校で一人 毬を撞いていた
ミヤマ ミヤマとぼくはどんな数え歌うたいながら
栗の毬のはぜるのを待っていた
ミヤマキリシマ ミヤマガマズミ ミヤマナンテン
ミヤマフユイチゴ ミヤマニガイチゴ ミヤマアキノキリンソウ
君が毬撞く手を休め 深山おろしに耳傾けるとき
風は君に どんな花便り届けただろう
花が毬なら栗も毬 毬子という名の君だった
imuruta
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