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​鈴懸の道

花 分けて下さいますか

名 明かして下さいますか

いちずに祈りおる夕刻に

すれ違うきみ 素足

晩春の風に 花々もまれ

掃き出す庭に 色とりどりに散る

糸 紡いで下さい

機 織って下さい

富むためではなく

すでに 失くすために

名無し指に指抜きはめて

古い裁縫帖開けば

なつかしい鈴の図案も

幾つか見つかるだろう

目の子算でいい

たとえ いびつでもいい

どうか もうひとつ

鈴 編んで下さい

きみと ありし日

日暮れを待って 歩き出せば

それは どこまでも鈴の鳴るみち

ぜんたい鈴懸のならぶ 夢の道だよ

             imuruta

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これはぼくの第五詩集<イザーイ>です

 

​詩とは何か 詩とは、敢えて言えば思考の不可能性に対する 果敢な挑戦である 詩は、その第一行目からとある文脈を提示する そして、二行目以降はその展開でありながら、つねにすでに間断なく

思考に挑戦しつづける 状況把握が必要なのか あえて書かなかったことを推理する力が必要なのか、それとも、ただ直観を信じてひたすら読み進む力が必要なのかは、あなた次第だ 何にしても、ここにひとつの求心力を提示したかった 詩は、つねに日常言語を模倣するが、かならずや もって非なる世界を提示する

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