top of page
​夕燕

赤シャツに ブルーのバンダナ颯爽と

あの町この町のして歩けば

振り向くあの子は 花売りむすめ

おちょぼ口尖らせて 口笛吹けば

きっと微笑む 目くばせ返す

爪だってほら こんなに綺麗に研ぎ揃えて

髭もピンと威勢よく

きみフレッシュなら ぼくはシャイ

横道 抜け道 じゆう自在

あの角 この角 角ごとの恋

風に歌えば にゃーお なあーぁお

流れる声は 甘くせつなく

ミラボー橋のたもとでひと息すれば

飴いろの空に 雲ひくく垂れこめ

川面とぶツバメも 愁眉おくるが

からす瓜のような日が西に傾くころには

おなかが空いて ぼくも帰る

こんな夜は 降る星も眠たげなら

子猫も どうやら恋疲れ

秋の宵は 冷えまするので

ひと肌も恋しいけれど

夕見たツバメも 南に帰りたかろ

          imuruta

© 2017 Designs by imuruta.  with Wix.com

これはぼくの第五詩集<イザーイ>です

 

​詩とは何か 詩とは、敢えて言えば思考の不可能性に対する 果敢な挑戦である 詩は、その第一行目からとある文脈を提示する そして、二行目以降はその展開でありながら、つねにすでに間断なく

思考に挑戦しつづける 状況把握が必要なのか あえて書かなかったことを推理する力が必要なのか、それとも、ただ直観を信じてひたすら読み進む力が必要なのかは、あなた次第だ 何にしても、ここにひとつの求心力を提示したかった 詩は、つねに日常言語を模倣するが、かならずや もって非なる世界を提示する

bottom of page