人体は　裸体が最も美しいと

ギリシャの時代からローマそして中世を経て

ルネッサンスのそれまで　美は再生し続ける

バロックが歪んだ真珠なら

人体もまた　のようなもの

マケドニアのニケーから　ミケランジェロのダヴィデまで

ミロのヴィーナスからボッティチェッリの春・プリマヴェーラまで

そしてまた　二千数百年を経て

ヘンリ・ムアの横たわる巨大な母まで　裸身の歴史はつづく

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ゴシックが　たゆまぬ神への挑戦なら

ロココは　こんにち女たちが結う髪の縮れ

おお　人類が存続するかぎり

女たちの歪んだブロンズのような乳房の歴史も存続する

そしてまた　貝殻に乗った女神の両手の意味する歴史もおなじだ

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着るのは服じゃない　着るのはデザインさ

服は体を隠すけれど　デザインは体を見せるものさ

こんな　しがないプリント屋やってるがね

将来的には　動画ムーヴメントに変えようとおもってる

いまはお嬢さんたちの足に　じかにプリントしてるがね

これはこれで身入りもいいし　捨てがたいが

いま若いのにやらせているのは　ピアス形のマイクロセンサーで

ハートに感応してサーモグラフィックな映像を

服に変わって映しだすというすぐれものさ

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極東の国じゃ　古来おんなの魅力は隠すことにあったそうだが

そんな国でもいまじゃ　おんながまえにでたくってうずうずしてる

ハートは隠すものだって伝統があるが

世にハートが見せる綾ほど美しいものはないとかねがねおもってる

おんなの裸心を観照するのに　こころのあやの見え隠れを

まるで　服に変えて映し出すって塩梅さ

ブルカだけ被ったように見える愛娘の画像をネットで見かけたが

自信に満ちた目が笑ってて　

どんなものだい父さんって声が聞こえて来そうだった

文明ってものが始まっていらい

ハートは胸のなかにあるものだってみんな思ったけど

かんじん要のそこを逆転させて見せようって文字通りのこころみさ

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　　　　　　　　　　　　　　　　imuruta

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