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​祝日

街の角かどに 三色の旗が上がり

子どもたちは鈴を鳴らしてこの日を祝う

誰が生まれたのでもない 誰か聖人が昇天したのでもない

ただの日にも祝うべき日はある

金や銀の紙ふぶきを散らし

色とりどりの靴を履いて街を歩めば

行く人 来る人 肘を取りあっては踊り

あれ きみの足首で鳴っているのはあの鈴

街の角かどに 三色の旗が上がり

男たちは角笛を鳴らしてこの日を祝う

唯の日にも ただの日にも祝うべき日はある

はて 遠く背景をなすのはマナスルか アララットか

葡萄の木を誉め 葡萄の精を誉め

色とりどりのショールを巻いて女たちが歌えば

行く人来る人その歌声を誉め その由緒正しき生まれを誉め

誰れかれとなく 幾度もいくども鼻をこすり合う

旗を誉めよう 鈴を誉めよう 角笛を誉めよう

靴を誉めよう 肘を誉めよう 足首を誉めよう

鈴の音が踝にまとわりついてこそばゆいからか

きみの上気した頬から たえまなく笑みがこぼれる

ああぼくら 鐘の鳴りやまぬ街を歩いて

鐘の所在を一つひとつ確かめ

鐘という鐘を祝福しあえば やがて夕暮れ

たとえ詩の道を歩むとも 心に恐れはあらじ

                      imuruta

ぼく名は不思議人<imuruta> ここに紹介
しているのは ぼくの第三詩集<愛の新世界>
ペアを組んで ひとつの夢の世界を構成する

<月下の道>です これらの詩は遠い処から来た
それはまるで この地球に降りたつと同時に
記憶喪失に陥ったかのような 遠い夢の破片から
「私を忘れないでいて欲しい」という 何かか細い
星からのメッセージのように ぼくの耳には
聞こえました ぼくは耳の奥で呟き続ける
これらの声をここにしるしました 皆さんの耳には
​どんな風に聞こえるか分かりませんが・・

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