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白日夢
参寧坂 きらら坂 蝉しぐれ
きみの洗い髪ゆれ 下駄の音
それでも暑いので 目の隅に
「氷」と書かれた暖簾が引っ掛かっている
さるすべり 枝高く燃え
死線越えたか 夏に焦げたか
道ばたに あぶら蝉がいっぴき
儚くしろい腹をみせてころがる
死も一つなら 生もひとつ
「一如」という文字が目前をかすめる
いっしゅん 通りのすべての音が
途絶えたようにも思えた
一念待って ひと夜開く
月下美人の 冷たさ 白さ
imuruta
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