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​兎

ソソッラ ソラソラ ウサギのダンス

おお 兎の跳ねやすいからだ

タラッタ ラッタラッタ ラッタラッタ踊る

耳に鉢巻き ラッタラッタ踊る

おお せかいじゅうで

このからだが一番かるいと誰が知る

脚で蹴りけり ピョッコピョッコ踊る

おお廻る世界 跳ねる世界

ソソッラ ソラソラ ウサギのダンス

けれど 眼光ひとたび光れば

そんじょそこらの 軽さでないぞ

その切っ先鋭い 思考の魔

こちらで跳ねていたかと思えば

うしろ姿はずんで もう月世界へ

あちらで跳ねていたかと思えば

もんどりうって 薄が原でとくいの杵つき

ああ どんな論理や価値やモラルも

軽々と飛び越える 兎一般でさえも

二元の罠などには嵌められはしない

にんげんの世界の性差などには

兎とは ふるふる震えるいっしゅの膜

兎とは ほそくほそく寝転んで

くすぐったさに耐えているいっしゅの領域

すなわち 毛の生えたひみつの展開図

ソソッラ ソラソラ ウサギのダンス

タラッタ ラッタラッタ ラッタラッタ踊る

だがいちど地を蹴れば しなやかに伸びた脚は

いっさいの境界をやすやすと飛び越える

いましがたまで釣鐘草の下で祈っていたかと思えば

アクロバットそのままに三日月も蹴る

ああ ほそいほそいそのシルエット

月の透明さのなかで今にも消え入りそうになりながら

弓月 半月 十三夜をすぎるころは

満願かなって きみとの逢瀬もたのしむ

おお兎 象の背も蹴れ はしれ兎

タラッタ ラッタラッタ ピョッコピョッコ踊る

                imuruta

ぼく名は不思議人<imuruta> ここに紹介
しているのは ぼくの第三詩集<愛の新世界>
ペアを組んで ひとつの夢の世界を構成する

<月下の道>です これらの詩は遠い処から来た
それはまるで この地球に降りたつと同時に
記憶喪失に陥ったかのような 遠い夢の破片から
「私を忘れないでいて欲しい」という 何かか細い
星からのメッセージのように ぼくの耳には
聞こえました ぼくは耳の奥で呟き続ける
これらの声をここにしるしました 皆さんの耳には
​どんな風に聞こえるか分かりませんが・・

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