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​イスラマバードの鳥

イスラマバード動物園の水禽舎の上に

見知らぬ奇妙な鳥が一羽 その翼を休めている

あれは果てなき虚空から舞い降りたのか

それとも遥か 名も無き異国を旅して来たのか

鳥の目は この空間がどこで未知と この時間がどこで既知と

通底しているのかを知ったそれだ

鳥のまわりで藍色の時間が 伸び縮みをを繰り返している

何故か 磁性や時間のことが気に掛かる

帰化や 羽化のことが

あの朝 きみの瞳にまじっていたのは粉水晶

ぼくはどれほどあられもなく きみを見つめていた

歌の庭に歌を足し 未然の星間に瞳を投げ

せききって溢れる涙をぬぐいもせず

堅くかたく 手を握り合って誓った言葉は

ああ 星のほろびるみぎわには

島宇宙さえ 花々流して喪に暮れる

呼び合う声 呼び返す声の落ちゆく先は

きっとコバルトの潮が新たな星産みの声と重なって

どこまでも息苦しく逆巻いている

おお 水禽舎の上で 時間をつかさどり 空間を

星という星を未来と繋ぎ そのすべてを過去と知る鳥

一所 磁性の乱れを正しに ここに来たというのか

鳥は水禽舎の上であらぬ方を見つめているが

いつしか この水禽舎の全体が

全宇宙の縮図に思えてくるから不思議だ

おお  イスラマバードよ 謎の古都

全宇宙の不思議ををその足下に治め

ひたすら虚空をにらむ鳥よ

その 水禽舎ごと天に飛び立つ日はいつ

              imuruta

ぼく名は不思議人<imuruta> ここに紹介
しているのは ぼくの第三詩集<愛の新世界>
ペアを組んで ひとつの夢の世界を構成する

<月下の道>です これらの詩は遠い処から来た
それはまるで この地球に降りたつと同時に
記憶喪失に陥ったかのような 遠い夢の破片から
「私を忘れないでいて欲しい」という 何かか細い
星からのメッセージのように ぼくの耳には
聞こえました ぼくは耳の奥で呟き続ける
これらの声をここにしるしました 皆さんの耳には
​どんな風に聞こえるか分かりませんが・・

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