Home・詩集
月下の道 目次
01 黙っていても春です
02 風の丘
03 祝日
04 毬
05 プラタナス
06 フーガ
07 夏の猫
08 中央アジアの高原にて
09 ホテル・ドルフィン
10 兎
11 月の沙漠
12 象の来た道
13 あかい靴
14 耳うさぎ
15 あさき夢みし
16 白日夢
17 翡翠
18 二尾の魚
19 木の時間
20 真夏の夜の夢
21 アーミッシュ
22 オオサンショウウオ座の恋
23 イスラマバードの鳥
24 バーミアン
25 花ざかりの森で
26 菩提樹
27 時の庭
28 ミーアハート咲く村
29 風の木
30 山ほととぎすの花
31 もう 行かなくっちゃ
32 月下の道
More
遊ばないかと象が聞くと
泣きはらした うさぎのような目をして
君いやいやと首を振る
今夜 杏のにおいさせて来たのも
セロリさくさくと食べて見せたのも
ただただ 細い目に入れて欲しかったから
耳しくはないかと
鼻で抱き寄せられても
今夜のあたしは 十九 はたち
このうえ何か言ったら
ゆやーんと泣いてやる
ゆよーんと くずおれて見せる
凛と張った耳を見よ
耳の下に
こらえにこらえた赤い目がある
imuruta