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​夜が夜を

夜が夜を誘う

  業の花びらを見にゆこうと

夜が夜を誘う 

  花びらの底を見にゆこうと

 

夜が夜を誘う

  いちまいの羽毛に乗ってこの階段を降りてゆこうと

夜が夜を誘う

  沈黙の音楽に乗ってきみを捜しにゆこうと

 

夜はなぜ夜を誘う

  夜には純愛だけが花に見えるからか

夜はなぜ夜を誘う

  夜には花だけが裸に見えるからか

 

夜が夜を誘う

  花びらのしるしを捜しにゆこうと

夜が夜を誘う

  花びらのごとく裂けるそこを見にゆこうと

夜が夜を誘う

  夜の底を見にゆこうと

夜が夜を誘う

  沈黙の底を見にゆこうと

 

男はなぜ間違うのか

  心が欲しいだけなのに からだが欲しいと

おんなは なぜ間違うのか

  こころを裸にしたいだけなのに からだを裸にしてしまう

これが業なのか とおい昔から

  これが音楽なのか 沈黙に耐えるほかない

これがしるしなのか はるか昔から

  これが純愛なのか きみの花に指をそえるほかない

 

今夜 業の花びらを散らしながら

  夜のごとくいっしんにきみを追う

今夜 業の花びらを慈しみながら

  男のごとく いちずにきみの下着を下げる

 

ああ 男は何故まちがうのか

  純愛が欲しいだけなのに きみがほしいと

ああ おんなは何故まちがうのか

  純愛を裸にしたいだけなのに じぶんを裸にする

 

業が業を誘う

  見果てぬ夢を見にゆこうと

業が業を誘う

  避けられぬ秘事を見にゆこうと

                imuruta

これは ぼくの六番目の詩集です

<水のもの><月のものを>呼び込んでの

ジャパニーズ・バーレスクの世界をご堪能下さい

 

​明日香風 いたづらに吹く いづくにか かくだにも

見れど飽かぬ ま幸くあらば またかへり見む 

旅ゆく君と 知らませば さやく照りこそ

呼子鳥 象の中山 かねて知りせば うらさぶる

​心さまねし ひさかたの 天のしぐれの 流れあふ見れば

うるはしき とををにも 妹が心に ますらをの 

恋ひにてし 匂ふまで ゆめこの花を 風にな散らしそ

かへり見すれば 人の眉引き 月傾きぬ

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